2006年12月4日月曜日

主演 なんでや兄ちゃん

また、餃子の王将に行ってきた。牛丼屋とかでもそうだが、客のカウンターに囲まれて、炒めたり、盛り付けしたり、皿洗ったりして目の前の厨房そのものが舞台に見える時がある、しかもわりとよくそれを連想する。彼らも見られてパフォーマンスしてる、たぶんぜったい。俺もそんな類いのバイトをしてきたからなんだろうか、勝手に想像するのは。
こないだの王将は、客もまばらで役者たち (従業員たち)もヒマそうだった。揚げ物担当の若い兄ちゃんがなんか不機嫌そうで、周りの先輩たちが、ぎこちなさそうになだめてた。 何かあったんだな、そして、でもこの兄ちゃんは歳のわりには、この劇団で信用されているようだぞ、とビールを呑みながら思った。“~まぁしゃあないやん か…”“そないなときもあるし…”共演者たちのセリフがチラチラ聞こえてくる。でも主役の兄ちゃんは頑なに“なんでや!”みたいなことをブツブツ。かなり 理不尽なことでもあったらしい…。客の俺は舞台にくいつく、餃子にも食いつく。あまりにも勝手な想像と解釈だが舞台『餃子の王将』は続く。
こっち はこっちで呑み食いしてるのだが、しばらくたっても、物語に発展性がなく、だらだらと“まぁええから”“なんでや!”をひたすら繰り返してた。だんだん客 の俺は飽きてきて、つまらなくなってきて、酒もまずくなってきた。芝居は暗く陰気なテーマだった。後味悪く2000円くらいの観劇料を払い店を出た。
そ して、また今夜、性懲りもなく、再び同じ劇場へ。客は大入り満員。オーダーでコールが飛び交う中国語。皿洗いさんも、麺ゆでさんも、レジちゃんも、てんて こまいだった。そしてなによりも、なんでや兄ちゃんが、たぶん皆と同じくらいのテンションで頑張ってるだけなんだろうが、前作を知ってるだけに俺はやはり 一番輝いているように見えてしょうがなかった。ちくしょう、なかなか目がキレイじゃん、見直したぜ、いや、だまされたぜ、揚げ物兄ちゃん。
よし、じゃあ、俺にとびきりの鶏の唐揚をたのむわ~、あとビール!ゆっくりタバコに火を点け、大きく吸いながら、今日の芝居は随分にぎやかなになりそうだなと、煙をはいたら、“ハイ唐揚げおまちどぉー” ぷふぅ、はやいーっ!